解説

冷凍サイクル式盤用クーラーの機種選定方法 解説

盤用クーラーの機種選定方法に関する技術資料は、各製造メーカで異なる表現になっていた選定方法の統一を図るため、1つの使用例を挙げ統一の方法を示しており、盤用クーラーの機種選定を容易に行なえることを目的として1997年に制定された。
今回の改正では、単位、用語の見直しを目的として、主に以下の改正を行なった。

  1. 盤用クーラーの構造の多様化に伴い、タイトルを「盤用クーラーの機種選定方法」から、「冷凍サイクル式盤用クーラーの機種選定方法」に変更した。
  2. 国際単位系を採用した。
  3. 2001年に改正された盤用熱関連機器技術研究会技術資料第002 号「盤用熱関連機器に関する用語」に合わせて見直した。

尚、選定の際は□内の数値は実際の選定条件に置き換え、特性図(冷却性能特性)は各製造メーカのカタログなどに記載された特性図を用いて算出・選定を行なう。
また、選定するための主要素である盤内発熱量(推定値)を求める方法の例は、参考1として掲載した。

選定にあたっての注意

選定にあたっては、次の注意が必要である。

  1. 盤内希望設定温度は、必要以上に外気温度より低くしないようにする。
    必要以上に低く設定すると

    1. ドレン量の増大
    2. 冷却効率、運転効率、エネルギー効率の低下
    3. 盤内結露の発生
  2. 設置条件により、制御盤キャビネットの一部が壁などの周囲の物体との間に十分な空間を保てない場合は、その部分の表面積を有効表面積より差し引く。
  3. 制御盤キャビネットの表面積に対して、選定した盤用クーラーの取付面積が無視できない場合は、この取付面積を有効表面積より差し引く。
  4. 制御盤キャビネットの密閉性、発熱体の位置、盤用クーラーの凝縮器、蒸発器、フィルタの汚れ、及び周囲熱源からの幅射熱の影響などにより、期待していた能力が得られない場合もあるため、選定には十分な余裕を持たせる。
  5. 盤用クーラーの性能を確保するため、吸・排気口は壁などの物体から十分な距離を保つこと。
  6. 使用環境や使用上の注意については、各メーカのカタログなどを参照すること。